Twitterにフリート(Fleet)という機能が登場して話題になりました。しかし、実はフリート(Fleet)の機能は2021年の8月3日に終了しています。それでも、未だにフリート(Fleet)はどんな機能なのか、どのような使い方をするものなのか知らない人もいるかもしれません。また、どうして終了することになったのか疑問に感じる人もいるでしょう。そこで、この記事ではフリート(Fleet)に関して詳しく解説します。
Twitterのフリート(Fleet)とは？
Twitterのフリート(Fleet)とは何なのか基本的な点を説明しましょう。
24時間で投稿が消える機能
フリート(Fleet)は文章や動画、ツイート、写真などを24時間限定で公開できる機能です。2020年の3月にテストが行われて、日本では2020年11月に開始しました。フリート(Fleet)による投稿は「いいね」や「リツイート」がされないのが特徴であり、通常の投稿とは 異なりフリート(Fleet)そのものは拡散されない点も大きな特徴です。24時間で投稿が消えるのはインスタグラムにも同様の機能があります。そのため、Twitterにも同じような機能が欲しいという意見もあり、フリート(Fleet)が生まれたのです。
動画や画像にコメントを追加できる
フリート(Fleet)の機能が通常の投稿と異なるのは、動画や画像に対してコメントを追加できる点です。たとえば、美味しいお菓子の画像に対して「美味しかった」など感想のコメントを載せることができます。これまではあくまでも文字による投稿が中心だったのが、インスタグラムなど他のSNSのような投稿もできるようになった点が話題になりました。
30秒のショートムービーを投稿可能
フリート(Fleet)を利用すると最大で30秒までのショートムービーを投稿可能です。投稿画面で動画を編集できるため、長い動画の好きな部分をトリミングしてから投稿ができます。これまでのTwitterは文字が中心でした。しかし、最近流行っているSNSはインスタグラムなどどれも画像や動画が中心となっています。そのため、Twitterでも動画による配信を積極的に行えるようにしたのです。ショートムービーの機能により、他のSNSで動画配信に注目しているユーザー達にTwitterを利用してもらうことを目指していました。
タイムラインの上部に最新の投稿が表示される
フリート(Fleet)を投稿すると、タイムラインの上部に 最新の投稿が表示されます。通常、Twitterではタイムラインに常に最新の投稿から順番に表示される仕組みです。しかし、これでは肝心のツイートがすぐに流れてしまいフォロワーに見てもらいにくくなります。フリート(Fleet)の場合は自動的に上部に固定して表示されるため、とても目立つ仕組みとなっているのです。また、多くの投稿をしても、通常のツイートとは独立しているため、他の投稿を乱す心配はありません。
Twitterのフリート(Fleet)の使い方
フリート(Fleet)はどのようにして使うことができる機能だったのか使い方を解説しましょう。
「追加する」のボタンから作成を開始できる
フリート(Fleet)が追加されてからは、新しいアイコンとして「追加する」が登場しました。この「追加する」を選ぶと写真一覧が表示されます。画面の下部には「テキスト」「カメラロール」「撮影」「動画」と表示されており、それぞれの投稿が可能です。
写真の投稿方法
「カメラロール」を選ぶことで写真を投稿することができます。ユーザーの所有する写真一覧の中から写真を選び、そこに文字を入力することも可能です。文字の位置や太字、背景、文字色などの設定をすることができます。文字を装飾することで見やすい投稿やおしゃれな投稿を実現できるのです。また、その場で写真を撮影してから投稿することも可能です。
動画の投稿方法
フリート(Fleet)では動画を投稿可能です。動画の投稿の方法は、その場で撮影をするか、すでに撮影していた動画をカメラロールから選択するか2つのパターンがあります。動画は長さをトリミングすることが可能です。さらに、動画に文字を加えることもできます。フリート(Fleet)の機能でトリミングできるため、自分でソフトを用意して動画をカットする手間を省けて便利です。
他のユーザーの フリート(Fleet)投稿について
フリート(Fleet)は投稿を閲覧するだけではなくコメントも可能です。ただし、フリート(Fleet)へのコメントはフリート(Fleet)の画面上に残るわけではありません。投稿したユーザーに対してダイレクトメールとしてメッセージが送られます。
また、他のユーザーの投稿したフリート(Fleet)について問題があれば報告することが可能です。「フリートを報告」というボタンがメニューに用意されています。
足跡の確認方法
フリート(Fleet)を投稿すると、画面上に足跡が残ります。投稿を閲覧したユーザーの名前が表示されるのです。気になるユーザーがいれば、プロフィールを確認できます。足跡はフォロワー以外のアカウントからのものも残ります。そのため、検索によってたまたま閲覧した人の足跡も確認できるのです。
Twitterのフリート(Fleet)の利用事例
フリート(Fleet)が実際にどのようにして活用されていたのか事例を紹介します。
広告
フリート(Fleet)を広告として活用する試みが行われていました。24時間限定で公開する機能は一見すると広告には適していないように思われます。しかし、フリート(Fleet)の場合はタイムラインの上部に固定して表示されることから注目されやすく、広告に活用する流れがあったのです。
また、その日限定の情報を公開するのにもフリート(Fleet)は利用しやすいでしょう。たとえば、店舗でその日だけ限定で利用できるクーポンをフリート(Fleet)として発信するのです。24時間で投稿は消えるため、その日限定の情報発信をするのに都合が良いといえます。
もうすぐ締切が近づいているキャンペーンの周知などに活用することも可能です。リマインド投稿として フリート(Fleet)の機能は便利に活用できます。過去に投稿したツイートの中からあらためて注目してもらいたいツイートを引用して フリート(Fleet)で公開するケースもあります。
フリート(Fleet)の足跡機能はマーケティングに活用することも可能です。足跡を辿ることでどんなタイプのユーザーが投稿に興味を持ったのか確認できます。企業アカウントでフリート(Fleet)を公開すれば、企業に興味関心のあるユーザーを分析して、有用なデータを得られるでしょう。
動画や画像、テキストを組み合わせた情報発信ができるため、従来よりも魅力的な告知や宣伝を行うことができ、よりフォロワーの気持ちに働きかけて行動を促せるのです。
フォロワーとの会話を増やす
フリート(Fleet)はTwitterでのフォロワーとの会話を増やすために活用されるケースがありました。従来のTwitterではツイートをしてそれに対する反応をチェックすることしかできませんでした。それがフリート(Fleet)という新しい機能が登場したことにより、従来とは違う形でフォロワー向けに発信をして会話に参加してもらうことができるようになったのです。実際に上手く フリート(Fleet)を活用してフォロワーを増やしたというケースもあります。足跡機能があるため、足跡を残してくれたアカウントに働きかけてフォロワーを増やすことも可能でした。
フォロワーにのみ限定で独占情報を公開するというケースもあります。そのアカウントをフォローする付加価値を持たせるのです。より親密な情報発信や会話ができるようになり、フォロワーとの絆を深めることができます。
重要な情報をタイムラインから流れるのを防ぐ
フリート(Fleet)は何かフォロワーに対して報告した重要なお知らせを24時間常にタイムラインの上部に表示させることが可能です。そのため、何かフォロワーに伝えたいことがある場合にフリート(Fleet)を活用するケースはたくさんありました。たとえ24時間しか公開できなかったとしても、常にタイムラインの目立つ部分に表示されることで情報拡散を実現できます。実際にフォロワーへの情報伝達に上手く活用できたというケースもあったようです。
Twitterのフリート(Fleet) が終了する理由とは？
フリート(Fleet)機能は2021年8月3日にどうして終了することになったのか、理由を解説します。
あまり使われなかった
満を持して登場した フリート(Fleet)の機能なのですが、想定していたよりも利用者が少なかったです。ユーザーに新しい機能として フリート(Fleet)を積極的に利用してもらうことを意図していたのですが、それほど利用者は多くはないため終了することになりました。利用していないユーザーからはフリート(Fleet) の枠が表示されていて邪魔だという意見もあったのです。
試験的に導入された機能だったから
そもそも フリート(Fleet)は試験的に導入された機能でした。実際に導入してみることで フリート(Fleet)の機能への反響を確かめて、問題点など今後の改善に活かすという試みだったのです。そのため、たとえ好評だったとしても一度機能が終了する可能性は十分にあったでしょう。今後はユーザーからのフィードバックを踏まえて、Twitterのサービス向上を目指していくのです。
ヘビーユーザーのみが積極的に利用していた
フリート(Fleet)の機能を導入した目的の一つは、これまでツイートするのをためらっていたアカウントにも積極的にツイートしてもらうように促すことでした。これまでなかった新しい機能を導入することでライトユーザーが気軽に投稿することを期待していたのです。しかし、実際にフリート(Fleet)を利用していたのはヘビーユーザーが圧倒的でした。思っていたよりもライトユーザーはフリート(Fleet)に食いつかなかったのです。
アーカイブを残しておけなかったため
フリート(Fleet)への不満点の1つとしてアーカイブを残せない点があります。24時間経過すれば自動的に削除されてしまい、保存することはできません。投稿者側にとっては、自動で消えてくれるためプライバシーを守る点でも評価されていました。しかし、フォロワーにとっては、どんなに印象的なフリート(Fleet) の投稿であっても24時間で消えてしまい、アーカイブで残すこともできないのは不満となったのです。評判の良いフリート(Fleet) の投稿があっても、24時間以内に知ることができなければ二度と閲覧する機会がなくなります。このような不満を持ったユーザーはフリート(Fleet) を使わなくなり、それが終了となった理由の一つといえるのです。
