インスタグラムは、SNSの中でも若者からの支持があり、集客宣伝に効果が期待できるものです。
画像の投稿を中心としているSNSであるため、いわゆる「インスタ映え」という言葉が生まれるほど、若者の生活に溶け込んだ存在です。
このインスタグラムを使って商品やサービスの宣伝・集客を行う場合、前提として多くのフォロワーを獲得することが重要になります。
この記事では、宣伝目的のフォロワーキャンペーンをインスタグラムで行う際に、どのような方法があり、何に注意すべきかについて解説しています。
インスタグラムのフォロワーキャンペーンとは
フォロワーキャンペーンというのは基本的に、情報拡散とフォロワー数アップを目指したキャンペーンです。
Instagramに含まれているハッシュタグなどの機能を活用し、直接影響できない範囲にまで広く情報を広めることができます。
キャンペーンの基本的な仕組みは、「フォローをしてもらう」+「その他のアクションをしてもらう」となっていることが多いようです。
その他のアクションとは、「いいね」「コメント」「ハッシュタグ付き投稿」などが挙げられます。
このキャンペーン応募者の中から、条件を満たしている人を選びます。
当選者には、DMなどのツールから連絡をして商品を提供するという流れです。
新規のフォロワーを獲得するチャンスになる上、興味や関心を持っている人に情報を提供することができます。
まず、フォローをしてもらうことで情報が継続的に届くようになります。
「いいね」や「コメント」の数が増えることで、Instagram内でのアカウントの評価が上がるため、ワード検索などで上位に表示される可能性が高まります。
「ハッシュタグ付き投稿」をしてもらい、その人のフォロワーに対しても情報拡散を狙う方法もあります。
売上をアップしたい商品などをピックアップしてキャンペーンをすれば、フォロワーのフォロワーの目にも留まりやすくなります。
このように、キャンペーンを行う際はアカウントとして何を目指しているかを明確にしておくと、内容をスムーズに決めることができます。
インスタグラムの特徴について
SNSでキャンペーンを行う際には、それぞれの特徴を理解しておくことが大切です。
ここでは、インスタグラムというSNSの特徴と拡散力について解説します。
フォロワーが増えれば宣伝対象が増える
Instagramにおける情報発信で何よりも大切なのは、「フォロワー」の数です。
これはInstagramというSNSの特性上、フォローをしていないアカウントの情報が目に入りにくいことが理由の1つです。
いくら質の高い発信を続けていても、見てくれる人は少なければ宣伝の効果はなかなか出ません。
Instagramと同じように人気のあるSNSのTwitterの場合、リツイートなどの機能を活用すれば、フォロワー以外にも投稿を広く届けることができます。
しかしInstagramの場合はTwitterほどのチャンスがないので、とにかくフォロワーを増やすことが重要です。
特にコンスタントの自分のアカウントから発信される情報を届けたいと考えているなら、ターゲットとなるアカウントにフォローしてもらう必要があります。
そのため、インスタグラムでは特にこのフォロワー獲得のためのキャンペーンが重要となります。
インスタグラムの拡散力
Instagramの拡散力は、先述した通りフォロワーの数が大きく影響しています。
自分のアカウントで発信した内容は、フォロワーか、もしくはハッシュタグ検索などで流入してきた人にしか届かないからです。
しかし、キャンペーンなどを活用して自分のフォロワーに広めたい内容を投稿してもらえれば、その人のフォロワーにまで情報が拡散できます。
このように、Instagramの拡散フローの仕組みを理解し、どのターゲットに何を広めたいかを考えることがキャンペーンの根幹部分となります。
インスタグラムでのフォロワーキャンペーンの目的
Instagramでのフォロワーを増やすことの大切さについてここまで触れてきました。
フォロワーキャンペーンを行うことの目的は、基本的にはフォロワーを増やすことと情報拡散を行うことです。
キャンペーンを実施する方法によって、得られるメリットが異なります。
キャンペーンにどのような形式があるかを理解し、自分のアカウントに必要な要素は何かを考えることが大切です。
フォロワーを増やすコツ
基本的な点として、Instagramでのフォロワーキャンペーンはフォロワーの数を増やすために行われることがほとんどです。
先述したように、Instagramではフォロワーが増えることで情報発信の影響力が高まります。
キャンペーンでは『この投稿に「いいね」してくれた人の中から抽選で10名に〇〇プレゼント。条件はこのアカウントをフォローしていること』などの形で表現されていることがあります。
「いいね」「コメント」を増やす
「いいね」や「コメント」がたくさん集まっているアカウントや投稿は、Instagramから重要性の高いと判断される傾向にあります。
重要性が高いと認定されると、キーワード検索などの際に上位表示される可能性が高まり、より多くの人に見てもらえるようになります。
アカウント自体のInstagramでの評価をアップしたい場合、この方法が有効です。
当該情報を拡散する
キャンペーンのその他の目的として、ある特定の情報を拡散することが挙げられます。
例えば、現在開催中のアート展の情報拡散を目指す場合、「ハッシュタグを付けて投稿してくれた人の中から抽選で10名様に無料入館チケットプレゼント。条件はこのアカウントをフォローしていること」などの方法があります。
ハッシュタグを付けて投稿をしてもらうことで、自分のアカウントのフォロワーだけでなく、フォロワーのフォロワーにまで拡散することが期待できます。
新商品や期間限定の企画などの場合、特に瞬発力のある情報拡散が求められますよね。
その場合、こういったキャンペーンを活用することでより多くの人に情報を知ってもらうことができます。
商品・サービスの認知度向上
情報拡散と少し近いものとして、商品やサービスの認知度アップが挙げられます。
すぐにその商品を必要とするかはわからないけれど、潜在顧客となりうる人に向けて、商品やサービスを刷り込んでいく効果があります。
日頃意識をしていなくても、何かのタイミングで購買意欲が沸いたときに自社の商品やサービスを思い出してもらえるように広く拡散することが重要です。
アカウントをフォローしていない人に対しても、ハッシュタグ付き投稿などを通じて間接的に情報が伝わるようにキャンペーンを計画する必要があります。
インスタグラムでフォロワーキャンペーンをする方法
Instagramでフォロワーキャンペーンを行うためには、キャンペーンの目的を明確にし、方向性を決定する必要があります。
目的に合っていないアプローチをしてしまうと、期待したような効果が得られないこともあります。
そのため、アカウントの現在の状態を把握してからキャンペーンの詳細を決めていくことが大切です。
アカウントの現状把握
まずは、キャンペーンに使用するアカウントの現状の把握です。
- フォロワーの数は十分か?
- アカウントのフォロワー数は拡散したいターゲットに合っているか?
- 投稿内容は適切か?
- SNS運営でどの程度効果が出ているか?
など、細かく掘り下げて理解することで、アカウントに足りていないものを見つけ出します。
イベントや商品の情報拡散という、キャンペーンのテーマにあたる部分はもちろん大切ですが、まずはアカウントの状態を把握します。
そうすることで、自分のアカウントと相性のいい(もしくは足りないものを補える)キャンペーンを作成することができます。
Instagramで何をしたいか?
続いて、アカウントの現状に加えて今度のアカウント運営の方向性を確認することも大切です。
ビジネスアカウントとして活用している場合は特に、何を目的に情報発信を行っているかが曖昧なままでは闇雲な運用になってしまいます。
ただフォロワーを増やす、「いいね」「コメント」を増やすという動きだけでなく、ターゲットや拡散範囲についても設定する必要があります。
キャンペーンの方向性の決定
自分のアカウントのことが把握できたら、次は方向性の決定です。
基本的には「フォロー」に加えて「いいね」か「コメント」か「ハッシュタグ付き投稿」を行って応募してもらうスタイルが多いようです。
このキャンペーンを通じてどのような効果を期待しているのかを明確にし、細かい方向性を詰めていきます。
方向性が決まったら、いよいよ実際にキャンペーンを実行する段階に入ります。
インスタグラム規約違反に注意!
ここで注意しなければいけないのは、Instagramのコミュニティガイドラインとプロモーションガイドです。
これまでInstagramにおけるこのような「フォロワー獲得」「いいね・コメント獲得」を目的としたプレゼントキャンペーンは容認されてきました。
しかし、コミュニティガイドラインの改定に伴いこれらのキャンペーンが「ルール違反」とみなされる可能性もありますので、注意が必要です。
キャンペーンすべてが禁止されたというわけではないので、違反にならないようにキャンペーンを決める必要があります。
Instagramのコミュニティガイドラインには、このような文章があります。
「いいね!」、フォロー、シェアを人為的に集めたり、同じコメントやコンテンツを繰り返し投稿したり、利用者の同意を得ずに商業目的で繰り返し連絡したりしないでください。スパムのない環境を維持しましょう。「いいね!」やフォロー、コメントを含むやり取りの見返りに、現金や現金同等物の提供を申し出たりしないでください。
コミュニティガイドライン
ここでは、NG例とOK例を紹介してきます。
フォロワーキャンペーン:NG事例
この規約の文章を見ると、「『いいね!』、フォロー、シェアを人為的に集めたり人為的に集めたり、…『いいね!』やフォロー、コメントを含むやり取りの見返りに、現金や現金同等物の提供を申し出たりしないでください。」と書かれています。
つまり、直接的に「『いいね』してくれた人の中から抽選で〇名様に〇〇をプレゼント!」などの内容では、このガイドラインに違反してしまう可能性があります。
同様に、「ハッシュタグを付けて投稿してくれた人に〇〇サービス券プレゼント」なども該当するリスクがあります。
フォロワーキャンペーン:OK事例
では、どのような内容であればキャンペーンができるのでしょうか。
キャンペーンの構成を決める際に重要なのは、プレゼントを「いいね」の見返りにしないことです。
例えば、「〇〇の写真コンテスト!条件はハッシュタグを付けて投稿すること。優秀作品の中から〇名様に〇〇プレゼント」などの構造は、このガイドラインに抵触しないと考えられます。
ポイントは、直接的に「いいね」「コメント」「ハッシュタグ付き投稿」を促しているのではなく、別の目的の1つのツールとして使用することです。
結果的にキャンペーンを通じてフォロワーを増やしたり「いいね」を増やしたりすることができるよう、「条件」としてこれらを追加することがポイントです。
インスタグラムのフォロワーキャンペーン実施後
Instagramのフォロワーキャンペーンは、実施のための方向性が重要という点についてここまで解説してきました。
それと同時に、キャンペーンを通じてどのような効果が得られたのか、良い点や改善点について、分析を行うことも大切です。
ハッシュタグ投稿数の集計
「いいね」や「コメント」を中心としたキャンペーンの場合、いいね数やコメント数は投稿の部分からすぐにチェックできます。
Instagramの場合、「ハッシュタグ付きの投稿」の数も、検索ウィンドウのところからチェックすることが可能です。
しかし、より精密に情報分析を行ってマーケティングをしたいという場合は、インスタグラム内から得られる情報収集だけでは不十分です。
必要に応じて、ハッシュタグ集計やSNS運用の状況についてレポートをまとめてくれるwebサイトやサービスを活用するのもおすすめです。
傾向を把握することで、今回だけでなく次回以降のキャンペーンの精度向上にもつながるためです。
それだけではなく、業界の動向を知ることのできるツールもあり、キャンペーン内容を決めるために対策を講じるヒントにもなります。
データ分析のできる外部サイト・サービスについては、次の項目でおすすめサイトを紹介します。
投稿に対しての反応の分析
投稿に対する分析とは、キャンペーンを行ったことによって生まれたユーザーのリアクションです。
分析サービスによって内容は異なりますが、具体例としては「投稿に適した時間帯の分析」や「フォロワーのフォロワーの総数」などがわかります。
これらの情報は、インスタグラムを利用しているだけでは知ることが難しいですよね。
インスタグラムで効果的にアカウントを運営するためにも、目的に合わせて外部サービスを利用することで正確性を高めることができます。
インスタグラムの分析ができるサイト
Instagramでの投稿やキャンペーンを分析するには、外部サイトやサービスを利用する必要があります。
サイトごとに特化しているジャンルがあり、機能も異なるので、更新した内容について具体的になにを知りたいのかを明確にしてサイトを利用することが大切です。
多くが有料版ですが、無料トライアルなどで試用できるものもあるので、いくつかを比べてみるもおすすめです。
Hashout
InstagramやTwitterのハッシュタグの分析、調査のできるサービスです。
自社アカウントから投稿されたハッシュタグの集計を行ったり、どのように拡散されたかを把握したいすることができます。
Hashoutの特徴は、分析結果をそのままレポートとして一覧を提出してくれる点です。
分析結果を数字として提示されてもいまいちピンと来ない人や、会議用の資料に管理する時間のない人には特におすすめです。
さらに、自社だけでなく競合他社のSNS運営の動向調査も可能です。
特定のジャンルにおいて、どんなハッシュタグを付ければより効果的かなど、具体的な提案をしてくれます。
SNSの全体的な運営に慣れていない場合でも、方向性を明確に提示してくれるサービスになっているので、包括的な支援を探している場合に適しています。
無料トライアル版もあるので、気軽に使い心地を試してみることができるのもメリットの1つです。
Hashtagify
Hashtagifyは、ハッシュタグ分析に適したサービスです。
キャンペーンで商品やサービスを展開している際、目標に対してハッシュタグがどのように作用したかを知ることができます。
ハッシュタグがよく使用されている時間を分析したり、使用パターンの集計もできるので、長期的なハッシュタグ活用に活かせるという特徴があります。
これまでの動向の分析を基にして次の週など、未来のハッシュタグの使用量の想定も可能です。
この機能を利用すれば、キャンペーンを実行する前にどの程度の反響が生まれるかの予測を立てて効果の大きいタイミングを狙うこともできます。
ハッシュタグ分析機能の他にも、Instagramでの投稿に関して特に影響力のあるインフルエンサーレポートや、ハッシュタグごとの比較などもあります。
関連性の高いハッシュタグを一緒に分析してくれるので、競合他社のアクションや市場の動向についても把握するきっかけとなります。
データをグラフ化して提示してくれるので、パッと見て視覚的に現状を把握したいという方に適したサービスです。
instatool
Instatoolは、ハッシュタグ最適化のためのツールです。
操作方法はシンプルであるため、SNS運用などにまだ慣れていない人でも手軽に利用することができます。
指定したハッシュタグの投稿数を瞬時に計測して割り出してくれるので、どのハッシュタグが人気を集めているかを簡単に比較することができます。
一度に30個のハッシュタグを計測できるので、Instagram上で数を数える時間を短縮することができます。
また、使用しているハッシュタグとの関連性の高いユーザーを特定してくれるため、どのような競合がいるのかという情報キャッチのきっかけにもなります。
構造や機能がシンプルな分、複雑な測定や分析はできませんが、手軽にハッシュタグ集計だけ行いたいという人もおすすめです。
Instagramインサイト
Instagramインサイトは、Instagramの運営会社から公式に提供されている分析機能です。
Instagram上での投稿に対し、どれくらいの人がその投稿を閲覧したのか、そこからプロフィールページまでたどりかなどを知ることができます。
集客宣伝に重要な、フォロワー属性についてもこのサービスを使って分析することができます。
ハッシュタグ分析においては、特定のものを指定して深く分析する機能はありません。
また、ブラウザ版で対応していない機能であるため、androidやiPhoneなどのアプリからのみ使用が可能です。
ベーシックな投稿に関するアクション(流入経路・動作・保存数)などを分析することに適しているサイトです。
複雑な分析はできませんが、まずは大枠を掴みたいという人にとってははシンプルで使いやすいサイトです。
インスタグラム活用のポイント
インスタグラムの登録自体は無料で利用できるにもかかわらず、うまく利用すれば広い範囲に宣伝、集客ができるツールです。
インスタグラムでフォロワーキャンペーンを行うためには、このように事前準備とその後の振り返りが大切になります。
ここまで紹介してきた活用のポイントを簡単に振り返ると、以下のようになります。
- 自社のアカウントの現状を把握する
- 投稿や発信を通じてなにをしたいか、目的を明確にする
- 投稿の方向性を決定する
- 投稿の反響を分析する
- 改善点を理解し、次回のキャンペーンに活かす
インスタグラムを利用したフォロワーキャンペーンを行う際は、闇雲に進めるのではなく、企業としての戦略を練ることが大切です。
インスタグラム自体に登録することは無料であっても、キャンペーンを実行のためには人件費や賞品代などの費用も発生します。
これらのコストが回収できるような効果の高いキャンペーンにするためも、事前の調査と実施後の分析が重要なカギを握ります。
フォロワーキャンペーンの効果を最大限に
フォロワーキャンペーンをInstagramで行う際の方法と注意点についてここまで触れてきました。
簡単にInstagramキャンペーンと言っても、実はアプローチの選択肢は複数あります。
ハッシュタグの選定によっても結果は異なる可能性があるので、感覚的に決定するのではなく、データに基づいた分析を行うとよりスムーズに進行できます。
キャンペーンの計画を立てる際は、事前にハッシュタグの投稿数や、関連ハッシュタグの投稿の状況を把握しておくことも大切です。
成功するキャンペーンを目指し、競合や市場の動向に合わせてどのようにユーザーやターゲット層にアプローチしていくかの方向性を決定しましょう。