国内のユーザー数が4,500万人*が利用しているTwitter。その数はなんとFacebookのユーザー数**の2倍弱です。最新情報やニュースをTwitterで収集している方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなTwitterで広告を出稿する際に知っておきたいTwitter広告の基本をご紹介します。費用や種類、ターゲティングとその設定方法などを初心者向けに解説しておりますので、ぜひご覧ください。
*2017年時点、以降のデータは出ていません **2019年時点
Twitter広告とは
Twitter広告は、Twitter上のタイムラインや検索画面に表示される広告のことです。広告設定はパソコンのブラウザで行います。
Twitter広告の種類は、画像を使ったもの、動画を使ったもの、検索画面のトレンドの部分に出すものなど幅広いラインナップがあります。また、目的もフォロワー数を増やす、アプリをインストールさせる、動画を再生させるなど様々です。
Twitterのユーザーは、他の主要プラットフォーム上の広告よりも、Twitter上の広告を26%長く見ているという分析結果も出ています。さらに、前述したようにユーザー数も多いため、マーケティングの1つとしてTwitter広告を活用したいと考えている方は多いのではないでしょうか。
2021年の最新情報を元に、詳しくTwitter広告のポイントを見ていきましょう。
Twitter広告配信の目的
Twitter広告では、まず始めに広告を行う「目的」を選ぶところからスタートします。そこで、それぞれの目的と解説をご紹介します。
①リーチを増やす(ブランド認知度の向上)
ツイートをプロモーションして、 ブランドメッセージの認知度を高めたいときに使います。
②動画の再生数を増やす
タイムラインにインフィード表示されて自動再生する「プロモビデオ」をターゲティングされたユーザーに配信したいときに使います。
③アプリのインストール数を増やす
アプリをインストールしそうなユーザーにツイートをプロモーションしたいときに使います。
④ウェブサイトのクリック数を増やす
ウェブサイトに訪問し、コンバージョンのアクションを行いそうなオーディエンスにツイートをプロモーションしたいときに使います。
⑤エンゲージメント数を増やす
ツイートをプロモーション して、ユーザーのエンゲージメントを増加させたいときに使います。
エンゲージメントとは、いいねやクリックなど、Twitter上でユーザーが反応した数の総和です。以前はいいね数のみのことだったのですが、近年は計上する範囲が広がりました。
⑥フォロワー数を増やす
アカウント自体をプロモーションして、フォローを促したいときに使います。
⑦アプリのエンゲージメント数を促す
アプリを起動しそうなオーディエンスにツイートをプロモーションを行いたいときに使います。
⑧プレロール再生をする
視聴する動画の本編の前に、ターゲットに絞ったプレロール動画広告を表示したいときに使います。
Twitter広告の種類
前述したように、Twitter広告は、広告を出す場所や用いる素材別に様々な種類が存在しています。以下に、広告の種類をまとめましたので見ていきましょう。
画像広告
Twitter広告ではポピュラーな画像広告。ユーザーは広告に対して、いいねやリツイート、コメントができます。左下に「プロモーション」と明記されます。(大半のTwitter広告は明記されます)
Twitterでは日本語全角で140字の投稿ができますが、投稿文のうち一律12文字分はurlで使われてしまうため、本文で使える文字数は128文字です。ハッシュタグも使用することができます。urlはアイキャッチ画像などを用いてカード化されます。
下記のマクドナルドのキャンペーン広告の場合、「キャンペーン詳細はこちら」の部分にあたる、ウェブサイトのタイトルの長さは70文字までです。ただし、端末によって表示される文字数は異なるため、50字以内にするのがベストです。
LINEのこちらの広告のように、採用情報をプロモーションすることもできます。
動画広告
視線が自然と向きやすく、商品やサービスの魅力を伝えやすいのが動画広告です。コメントやリツイートが可能なことや、投稿文の文字数、タイトルの長さは画像広告と同じです。動画は基本的には15秒以内です。
しかし、以下のようにクリック数キャンペーンを使うと2分20秒までの動画が使えます。また、一部の広告主に限り、10分まで延長ができます。動画が60秒に満たない場合は、繰り返し再生されます。
また、アプリをダウンロードさせるための広告も提供されています。「インストール」や「プレイ」ボタンが設置されるため、そのままアプリのインストールに繋げることが可能です。
カンバセーショナル広告
カンバセーショナル広告とは、画像や動画の下に、ツイートが自動生成されるボタンのついた広告のことです。「#△△でツイート」とあるボタンをタップするだけで、準備しておいたテンプレート投稿がユーザー画面に出てきます。多くのユーザーがテンプレートを用いて投稿してくれれば、ブランド認知度の向上につながります。
▼「#ベーシックなブルーでツイート」を押した時に表示される画面
クイズ形式にして、正解だと思う選択肢でツイートしてもらったり、好きな味を選んでツイートしてもらったりと様々な使い方ができます。プレゼントキャンペーンと同時に使われることも多いです。「#◯◯◯◯を付けて投稿した方の中から10名様に…」というようなプレゼントキャンペーンではユーザーは投稿文を考える必要がありスルーしてしまう人も多いですが、こちらでは簡単に投稿が行えるため、投稿が増えやすくなります。
動画の場合は、15秒以内にする必要があります。
カルーセル広告
カルーセル広告とは、横にスムーズなスワイプが可能な複数枚の画像・動画を用いた広告のことです。
横幅が大きく表示されるため目立ちます。また、2枚目の広告がチラ見えするような状態になるため思わずスワイプしたくなります。スワイプをしてもツイート本文は同じです。
2~6個の画像・動画を利用可能で、様々な商品を紹介したい場合や、ストーリー仕立てにしたい場合などにおすすめです。順番は指定することが可能です。
複数の画像や動画を設定できますが、リンク先は1つのため注意してください。
テキスト広告
その名の通り、テキストのみのシンプルな広告のことです。ユーザーがタイムラインを見ている際に、「広告だ!」と認定されてしまっては瞬時にスクロールされやすくなります。しかし、テキスト広告はフォロワーの通常投稿に紛れ込みやすいため、広告という先入観を持たれにくいことが長所です。
フォロワー獲得広告
アカウントの認知度を上げたい、フォロワーを増やしたい時には、ターゲットへ向けたフォロワー獲得広告がベストです。アカウントの説明と「フォローする」ボタンが付いた状態で表示される広告のため、気になってもらえればそのままフォローしてもらうことができます。
アカウントのヘッダー画像も広告の一部になりますので、企業やブランド、メディアごとにカスタマイズしてください。
このフォロワー獲得広告で使うことができるのはツイート文だけで、画像や動画は含むことができません。ツイート文を有効に使い、思わずフォローしたくなるようにすることが求められます。下記に事例を貼りますので、参考にしてください。
プレロール広告
プレロール広告というのは、Twitterと連携している特定のアカウントが動画コンテンツを配信した時に、その動画コンテンツの前に出す動画広告のことです。その特定のアカウントには大手テレビ局や報道機関、スポーツリーグなど200以上のアカウントが対象になっています。6秒が経過すると、skipのボタンが表示されるようになります。
CTA(コンバージョンに繋がるページのボタンやリンク)の変更や、表示させたくないアカウントの設定や動画コンテンツカテゴリーを選択することも可能です。
例えば、元SMAPの草彅剛さんのTwitterアカウントでプレロールが使われています。草薙さんはTシャツの動画をアップしているのですが、その前に、下記画像のようにゲームの広告が出てきています。
トレンドテイクオーバー
トレンドテイクオーバーとは、検索画面に遷移した時に出てくるトレンドキーワードの上部に出てくる広告のことです。下記の「#バスマジックリンからエアジェット誕生」がトレンドテイクオーバーに該当します。
このトレンドテイクオーバーを出すためには、必ずハッシュタグを付けなければなりません。このハッシュタグは、20文字以内になるようにする必要があります。
また、トレンドの説明も書くことが推奨されています。上記の画像でいうと、「なんと30秒!?で浴槽がキュッとキレイに!お風呂掃除がぐーんとラクに!」という文章の部分です。
トレンドテイクオーバープラス
トレンドテイクオーバープラスは、検索画面の最上部(トレンドテイクオーバーよりも上部)に画像や動画と共にハッシュタグを掲載する広告です。年齢制限をかけることができないため、用いる画像や動画は、暴力的なものや性的なものを選んではなりません。適切なものになっているかチェックしましょう。
静止画の他に、6秒ループされるGIF画像や、MP4を使うことができます。
ハッシュタグの長さは、トレンドテイクオーバーと異なり日本語全角8文字以内にする必要があります。また、説明文は日本語全角で15文字以内に制限されます。
ハッシュタグは、説明文に重複して使うことはできません。また、「期間限定」「60%OFF」「1個買うと2個目無料」などの表現は避けることが求められます。
投票広告
投票機能を用いた広告を出すこともできます。自由に2~4つの選択肢を作ることができます。また、投票の期間も、5分~7日間の中から設定ができます。
各選択肢は、12文字までになります。ツイートの本文の文字数の中には入らず、140文字のままです。
ブランド絵文字
みなさんは、ハッシュタグの後ろに絵文字が付いているのを見たことはありませんか?それが、このブランド絵文字です。
視覚的に訴える独自の絵文字や、ブランドを表す絵文字をつけることができます。ブランド絵文字を行うことで、ユーザーがハッシュタグをつけて投稿してくれる確率も上がります。
絵文字が出てくるハッシュタグは、最大で5個と決まりがあります。とても小さいため、シンプルに作ることが重要です。複数の顔やロゴなどを入れると読めなくなってしまいます。また、Twitterを黒背景で使っている人と白背景で使っている人が混在しているため、暗い色だけ、明るい色だけで絵文字を作ると視認性が悪くなるので注意が必要です。
また、上記のようにトレンドテイクオーバーと合わせての広告も可能です。
Twitter広告のターゲティングの種類
Twitter広告には多くのユーザーターゲティング方法があります。一つ一つ見ていきましょう。
地域
都市名などを入力し、地域でターゲティングができます。プライバシーやセキュリティ面に配慮しつつ、個人ユーザーの位置情報やその履歴、IPアドレスなどを利用しています。海外旅行に行った時、その地域のtwitter広告が出てくる時は、地域でターゲティングされている可能性があります。
設定方法
①「オーディエンスの特性」に遷移
③「場所」の部分で、地域や都市名などを記入し選択
※例えばターゲティングで「日本」と「東京」を選んだ場合は、日本全国のユーザーに広告が表示されるため注意してください。
言語
日本の場合は当然日本語になることでしょう。複数の言語で発信するユーザーの場合は、複数の言語の広告が出てきます。日本語、englishなど20種類の言語の設定が可能です。
設定方法
①「オーディエンスの特性」に推移
②「言語」の検索バーをクリック
③言語を選択
年齢
Twitter広告には、「13~24歳」、「21歳以上」など様々な年齢セグメントが用意されています。基本的にはTwitterのプロフィールにある誕生日に基づいて年齢を判断しています。誕生日が登録されていないユーザーは、興味・関心、フォローしているアカウントなどからAIが年齢を推定しています。
設定方法
①「オーディエンスの特性」を選択
③「年齢を選択」で「全年齢」or「年齢範囲」を選ぶ。年齢範囲を選んだ場合は、範囲も選択する。
性別
性別を指定しないことももちろん可能ですし、男性だけ/女性だけに設定することもできます。性別を登録していないユーザーは、アカウントの類似度を用いて男女を識別しています。
設定方法
①「オーディエンスの特性」をクリック
③性別を選択(選択すると黒に変化)
端末モデル・携帯電話会社・オペレーティングシステム
携帯電話を販売する企業の場合、すでに自分たちのキャリアを使っているユーザーに広告を出すのは費用の無駄になってしまいます。そんな時に、このような端末モデルでターゲティングを行いましょう。
設定方法
①「端末」に遷移
②-1「オペレーションシステム」の場合は「iOS」「Android」「その他のモバイル」「デスクトップ」から選択
②-2「端末モデル」や「携帯電話会社」の検索バーから選択
※「次の期間に新しい端末を購入した利用者をターゲティング」を押すことで、特定の期間に端末を切り替えた人だけに送ることが可能です。
会話トピック
ユーザーがどのような会話をしているかでターゲティングを行います。検索バーに文字を入れると大量の候補が出てきます。
設定方法
①「ターゲティング機能」に推移
②検索バーにキーワードを記入
キーワード
ユーザーが検索したワードや最近の投稿、最近反応があった投稿などを用いて、特定のキーワードとの関連性が高いユーザーに広告を配信できます。キーワードは最低でも25個は設定すると良いと言われています。また、除外するキーワードの設定もここでできます。
設定方法
①「ターゲティング機能」に推移
②「検索」または「一括アップロード」でキーワードを記入
映画&TV番組
特定のTV番組や映画に反応を示したユーザーに対して、放送中やその前後に広告を配信するものです。AIを用いて、その映画やTV番組を視聴したと推定されるユーザーを見つけ出しています。キーワードターゲティングでは日常の投稿と混ざってしまうような映画や番組名の場合(スーツなど)は、特に便利なのでぜひ検討してください。
設定方法
①「ターゲティング機能」をクリック
②検索バーに映画やTV番組名を入力
イベント
Twitterにはイベントカレンダーがあり、世界中のイベントが登録されています。そのイベントに関心がある人や、参加している人に絞って広告を配信することができます。
設定方法
①「ターゲティング機能」をクリック
②「イベント」の検索バーから選択
興味関心
「ゲーム」「スポーツ」「ペット」「旅行」など、25のカテゴリーがあります。さらに、その中でも細分化されており、例えば「スポーツ」の場合は「NBA」「アイスホッケー」「オリンピック」「ゴルフ」など大量の候補が出てきます。
設定方法
①「ターゲティング機能」をクリック
②「興味関心」の検索バーからカテゴリーを選択
フォロワーが似ているアカウント
設定方法
①「ターゲティング機能」をクリック
②「フォロワーが似ているアカウント」の検索バーにユーザー名を記入し選択
Twitter広告の費用のかかり方
広告につきものなのがコストです。Twitterでは、広告キャンペーンと目的の組み合わせによって費用のかかり方が異なります。
例えば、目的をサイトのクリック数と決めた場合、ユーザーがリンクをクリックした時に課金されます。
※オートプロモートは現在新規受付を終了しています
Twitter広告は基本的にオークション形式
Twitter広告は、固定のレートがあるわけではなく、オークションシステムで配信されます。広告の魅力やターゲティングしているユーザーの規模、同じターゲティングをしている広告主の数、入札額の4つの要素で決定されます。
需要の高いユーザー層をターゲティングする場合は、広告配信をするための入札額が高くなるのが一般的です。
入札額の高い広告主がオークションに勝ち、広告が配信される確率が上がります。
総予算
1つの広告キャンペーンにかける金額の合計です。総予算を設定しておけば、その金額を超えて広告が配信されることはありません。設定は必須ではありません。
日別予算
1つの広告キャンペーンにかける1日あたりの金額のことです。金額に達すると、広告配信は自動的に止まる仕組みになっています。設定は必須です。毎日0時に切り替わります。
標準配信と集中配信
標準配信は、日別予算を1日全体を均等に使って配信されるように自動調節される配信タイプです。ただ、Twitter広告はユーザーが広告に反応しやすい時間をAIが察知し、成果が高められるように最適化されて配信されるため、完全に1日を通して均等に配信されるとは限りません。
一方の集中配信は、早く予算を使い切る配信タイプです。特定の時間に絞って配信されるため、その時に放送中の番組がある時や、試合が行われている時などに使うべき機能です。
Twitter広告の注意点
①Twitter広告用アカウントを作ってもすぐに広告開始はできない
Twitter広告を始める時の前提として、Twitterはアカウントを作成してすぐに広告を出稿することはできないことを把握しておきましょう。Twitterでは広告配信前に事前にアカウントを作成し、2~3週間の運用を実施してアクティビティのあるアカウントにすることが求められます。そうして、初めて広告を出稿する資格を取得できるのです。
また、アカウントを非公開にしていたり、凍結されてしまっていたりする場合は、Twitter広告を利用できません。Twitter 広告の出稿を前提にアカウントを作成する場合はこれらの注意が必要です。
②Twitterの雰囲気に合わせた広告を作成する
Twitter は、facebookとは異なり、実名登録が義務ではない、匿名のソーシャルネットワーキングサービスです。ユーザーは匿名だからこそ発信できるような、気持ちや思いを気軽にツイートしています。また、同じ趣味や病気などを持つ人同士でコミュニティが形成されていることも多いです。このようなTwitterの空間で、検索エンジンや実名登録のfacebook等で配信するような広告を配信すると、ユーザーがブロックしたり、ネガティブな反応をしたりされてしまう可能性があります。そういった事態を避けるために、広告であってもTwitterの雰囲気に合わせた内容にすることが大事です。
③クリエイティブや内容をこまめに変更する
検索エンジンと違い、Twitter広告はユーザー属性でターゲティングするため、同じ広告を何度もユーザーが見ることも多くなってしまいがちです。したがって、ユーザーを飽きさせないために、クリエイティブや内容を小まめに変更することも心がける必要があります。投稿の閲覧者 1人あたりのフリークエンシー(接触頻度)に注意しましょう。Facebook や Instagramではフリークエンシー決めるためにをリーチ数(投稿が表示された人数)が使われますが、Twitterではインプレッション数(表示された回数)が使われます。
④ネガティブな反応があれば、その広告の出稿停止を考える
ネガティブなコメントがあれば、その広告を取り止め、異なる広告グループやキャンペーンを配信した方が良いこともあります。ネガティブなコメントが紐付いた広告は、炎上に繋がったり、広告本来のメッセージが曲がってしまったり、ブランドイメージの棄損になったりと、負のスパイラルを招く可能性があるためです。透明性のある広告を心がけると同時に、広告についたコメントをしっかりと確認するようにしましょう。
おわりに
Twitterの広告運用は、代理店に支援してもらうこともできますが、自社で運用する際はわからなくなることも多いと思います。
TwitterはサポートサイトやTwitterビジネスブログ、ヘルプセンターも充実しているので、この記事を読んで不明点のある方はガイドをご覧ください。また、利用規約やポリシーを守って広告運用を行ってください。
そして、ぜひフォロワー◯人獲得、リンククリック数◯回など目標を立てましょう。Twitter広告の管理画面にはアナリティクスがあり、ホームには月毎のTwitter統計データが掲載されていますので、このようなツールも活用しながら目標を達成できたか検証を行いましょう。