ビジネスの集客や宣伝を目指す企業にとって、SNSは今や欠かすことのできないツールの1つとなっています。
SNSは情報を継続的にターゲットに伝えることができるだけでなく、使い方によっては幅広い範囲に情報拡散をするチャンスがあります。
SNS運用は、一見簡単そうに見えますが、高い効果が期待できるような活用には準備が必要です。
この記事では、SNSキャンペーンとはなにか、どのような方法があるのかについて、そしてそれらの役立つ外部ツールを紹介していきます。
SNSキャンペーンとは
SNSキャンペーンとは、SNSを通じて意図的に情報発信を行ったり、フォロワーを獲得したりするキャンペーンを指します。
SNSには、InstagramやTwitterなどの様々な種類があります。
それぞれのSNSの特徴や、企業アカウントの目的に合わせて、効果的なキャンペーンの方法は異なります。
SNSキャンペーンの流れ
SNSキャンペーンの主な目的は、「フォロワーを増やすこと」です。
InstagramやTwitterでは、フォロワーは多ければ多いほど情報を見てくれる人は増えます。
そのため、フォロワーを増やすことを目的としたキャンペーンを実施する場合があります。
例えば、「#〇〇を投稿した人の中から抽選で10名に〇〇プレゼント!条件はこのアカウントをフォローしていること」などがSNSキャンペーンのよくある構造です。
キャンペーンで投稿を促し、集まった投稿の中から当選者を選出します。
当選者を見つけるためには「ハッシュタグ」と呼ばれる機能を活用したり、「いいね」「コメント」などを使ったりする場合もあります。
「このアカウントをフォローしていることが条件」として投稿者を募るので、参加者は必須条件を満たすためにフォローしてくれることになります。
一度フォローをしてもらえれば、アカウントの投稿をそのユーザーに継続的に届けることができます。
特定の商品やサービスの宣伝だけでなく、ユーザーの意識にブランドを埋め込めるという効果もあります。
「ハッシュタグ」での投稿を条件にした場合、その投稿者のフォロワーも商品やサービスの宣伝を目にすることになります。
広範囲に情報拡散をしたいと考えている個人や企業のビジネスアカウントにとっては、SNSキャンペーンは有効な手法です。
Instagramの特徴
SNSには様々な種類があり、それぞれに特徴があります。
Instagramでキャンペーンを行う場合、InstagramというSNSの特徴を理解して戦略を立てることが大切です。
簡単に言ってしまえば、Instagramは情報拡散には適していないSNSです。
FacebookやTwitterのようにシェア機能がないため、投稿されたものに対しては反応をするとすれば、「いいね」か「コメント」のみとなります。
「いいね」と「コメント」を集めることで、Instagram内での評価の向上につながり、検索上位表示を目指すという戦略もあります。
しかし、Twitterにおけるリツイート機能のような、ダイレクトな拡散機能はInstagramにはないという点に留意する必要があります。
キャンペーンに話を戻します。
Instagramでのキャンペーンは、基本的に「フォローする」というアクションに加えて、「いいね」「コメント」「ハッシュタグ付き投稿」を組み合わせるというパターンが多いようです。
これらのアクションを一緒に行ってもらうことで、Instagramからの評価アップが期待できるだけでなく、当選者を簡単に選ぶことができます。
「いいね」「コメント」は投稿から簡単にチェックすることができ、ハッシュタグ付き投稿がリンクに飛んで投稿を確認できます。
Twitterの特徴
Twitterは、Instagramに比べると情報発信に適したSNSです。
特に、リツイートや引用リツイート機能を活用することで、直接的に情報が拡散します。
上手くこの流れをつかむことができれば、最初の投稿をするだけであとはフォロワーの力を借りて自動的に拡散することも可能です。
自分のアカウントのフォロワーが1000人だったとしても、それぞれの1000人のフォロワーに100人ずつフォロワーがいれば10万人への拡散が期待できるということです。
これは極端な例ですが、このように多くの人に情報を広げるという点に関しては、Twitterは非常に有利な構造をしています。
Twitterでのキャンペーンも、先ほど紹介したように「フォローする」+「いいね」「リプライ」「リツイート」「ハッシュタグ付き投稿」などのアクションを求めるスタイルが一般的です。
スピード感をもって情報を拡散したい場合にはTwitterは最適です。
しかし、使用している層がInstagramとは異なるため、潜在顧客がどの程度あるのかをSNSごとに見極めることが大切です。
反応の少ないSNSでキャンペーンを行うより、ターゲット層に合っているものを使用するようにしましょう。
SNSキャンペーン
SNSキャンペーンの簡単な流れについてここまで紹介してきました。
キャンペーンは簡単そうに見えて、大きな効果を得るためには、準備や分析も必要になります。
SNS運用に慣れていない人や初めてキャンペーンを打つという人は、闇雲に進めずに丁寧に準備することも大切です。
自社アカウントの現状を知る
まずSNSキャンペーンを行う上で最も重要なのが、自社アカウントの現状の把握です。
フォロワーを増やすことを目的としたキャンペーンを行うとしても、もとのフォロワーの数が極端に少ない場合は大きな効果は期待できません。
投稿したキャンペーン内容を多くの人に届けるためには、まず拡散に協力してくれる一定数のフォロワーがいることが前提となります。
また、これまでの投稿内容や投稿に対する反応の傾向から、どのような投稿がフォロワーからの反応を得られやすいかを分析しておくことも大切です。
どのようなユーザーを増やし、このアカウントを通して何をするのかを決めて置きます。
そこから、現状何が不足しているかを考えることで、キャンペーンの方向性をスムーズに決めることができます。
その他、競合他社が同じSNSの中でどのような行動をとっているかをチェックすることも大切です。
全く同じことをしても意味がないものの、反応の大きそうなキャンペーンがあれば、参考にすることもできます。
SNSキャンペーンの目的
SNSキャンペーンの方法は、使用するSNSや目的によって異なります。
そのため、「何のために」このキャンペーンを行うのかをまず明確にしておく必要があります。
キャンペーンを通して単純にフォロワー数を増やしたいのか、それとも特定の情報を拡散したいのか…
それが不透明なままだと、どのようなキャンペーンを組めばいいのかがわからなくなってしまいます。
例えば、キャンペーンを通じて情報拡散をしたいのであれば、単純に「いいね」を集めるだけでは不十分かもしれません。
SNSは無料で利用できるツールとはいえ、キャンペーンの計画を立てたり投稿内容を決めたりするためには人件費が発生しています。
賞品をつけてキャンペーンを行う場合は、そのための費用もかかるでしょう。
なるべく大きな効果をキャンペーンから引き出すために、事前の市場動向調査などを行っておくことが大切です。
ターゲット層の把握
SNSキャンペーンでは、ターゲットを決めておくことも大切です。
フォロワーをとにかく増やすことが目的だったとしても、取り扱う商品を購入する可能性が低い層ばかりを集めてしまっては、購買にはつながりません。
潜在顧客となる層はどこなのか、どのようにアプローチするかを事前に想定することで、このようなギャップを防ぐことができます。
ランダムに情報拡散を行えば、その中から本当に顧客になり得る人が見つかる可能性もあります。
広く浅く宣伝を行うのか、始めからターゲットを絞っておくのかを決めるのも、キャッチ成功のためのポイントです。
競合他社の動向チェック
競合他社の動向チェックを行うことで、成功しているキャンペーンの例を知ることができるだけでなく、全く同じ内容になることを避けられるというメリットもあります。
SNSにおいては、ユーザーは自社アカウントと競合アカウントの両方をフォローしている場合もあります。
その際に、似通ったキャンペーンばかりでは飽きられてしまうこともあります。
競合がどのようなSNS戦略をとっているかを把握することで、自社のオリジナリティを強めることにもつながります。
SNSキャンペーンのために、ハッシュタグなどを中心に分析を行うことも有効な手段です。
InstagramやTwitterのサイト内ではそれらの分析はできませんが、外部サイトを活用することで詳しいデータを引き出すこともできます。
SNSキャンペーン向けの便利なツールについては、この後の項目で紹介しています。
SNSキャンペーンの注意点
SNSキャンペーンは、少ない費用で大きな宣伝効果になる可能性のある手段です。
しかし、正しい方法で活用しないとSNSからルール違反と判断されてしまう場合もあります。
実際、インスタグラムのコミュニティガイドラインの改定により、これまで容認されてきたキャンペーン方法が今後は使用できない可能性があります。
インスタグラムのコミュニティガイドラインには、以下のような文章があります。
「いいね!」、フォロー、シェアを人為的に集めたり、同じコメントやコンテンツを繰り返し投稿したり、利用者の同意を得ずに商業目的で繰り返し連絡したりしないでください。スパムのない環境を維持しましょう。「いいね!」やフォロー、コメントを含むやり取りの見返りに、現金や現金同等物の提供を申し出たりしないでください。
コミュニティガイドライン
ここには、「『いいね!』、フォロー、シェアを人為的に集めたり、…「いいね!」やフォロー、コメントを含むやり取りの見返りに、現金や現金同等物の提供を申し出たりしないでください」と記されています。
つまり、従来行われていたような「フォローしてくれたら〇〇プレゼント!」などの書き方をすると、このルールに抵触するということになります。
しかし、Instagramではこれらのキャンペーンを完全に禁止したわけではありません。
あくまでも、「いいね」「コメント」「フォロー」の見返りに現金・現金同等物を提供することが禁じられただけです。
このルールに違反しない形でキャンペーンを行うとすると、まずコンテストのようなものを開催し、その条件としてフォローやハッシュタグ付きの投稿を促すという方向性になります。
例を紹介します。
- 「家族の思い出写真」コンテスト!『#私が一番好きな家族写真』というハッシュタグを付けて、お気に入りの画像を投稿してください。最もハートフルな写真を投稿していただいた方を選定し、〇〇をプレゼントします。応募条件は、このアカウントをフォローすることです。
- 「本当に体験した怖い話」を『#こわすぎて気軽に話せない話し』というタグを付けて投稿してください!一番怖かった人に〇〇をプレゼントします。応募条件は、このアカウントをフォローしていることです。
このように、基本軸としてコンテストなどを据え、それを進行するためにハッシュタグ付き投稿やフォローを促す形にします。
そうすれば、このルールの違反にはならず、キャンペーンを実施することができます
しかし、InstagramやTwitterのガイドラインなどのルールは予告なく変更になることもあります。
キャンペーンを企画している際は、事前にこれらのルールに目を通し、規則の中で運用していることを確認するようにしてください。
Instagramキャンペーンに役立つツール
Instagramでのキャンペーンをスムーズに行うためには市場や競合の動向調査、ハッシュタグの投稿数の集計などが大切です。
Instagram自体にはそこまで詳細な分析機能は搭載されていないため、外部サイトやサービスを併用することが求められます。
この項目手は、Instagram活用に役立つツールを紹介します。
pintab
Pintabは、Instagramアカウント運用に特化したサービスです。
Instagramのビジネス運用では、投稿を継続的に行っていても実際どのくらいの効果があらわれているのかつかみづらい場合もあります。
フォロワー数や「いいね」、コメント数などはサイト内から簡単に見ることができますが、pintabを使えばインプレッション数やプロフィールアクセスなど、より詳細な情報をキャッチすることできます。
日にちごとのアクセス数の推移などもグラフとして表示されるため、投稿がエンゲージメントにどのように影響しているかを知ることができます。
Pintabは運用のノウハウについて相談ができるため、特にSNS運用に明るいスタッフのいない会社におすすめです。
難しい数字が並んでいるだけでは、なにがどう影響しているかわからないという人も中にはいると思います。
そんな場合でも、pintabを使って分析を行えば、数値やデータを資料としてまとめた状態で提供してくれるので、作業の時間を短縮することができます。
ツールが高いために導入をためらっている企業でも、使いやすいリーズナブルな料金設定になっている点も特徴です。
Instagramの重要な機能の1つでもあるストーリの追跡ができるのもポイントです。
hashout
Hashoutは、SNSのハッシュタグ・アカウント調査分析ツールです。
Instagramだけでなく、Twitterの分析も行うことができるため、複数のSNSを並行して活用している企業に特におすすめです。
SNSマーケティングの数値を可視化してまとめてくれます。
ハッシュタグは、活用方法次第では大きく情報拡散ができる重要な機能です。
しかし、使い方にはコツがあり、拡散力のあるハッシュタグ活用は簡単ではありません。
そこで、hashoutはデータ分析に基づき、最も有効なハッシュタグの使い方を提案してくれます。
数値として出た分析結果は、レポートとして生成されて納品されるため、会議などのためにわざわざ資料をまとめる必要はありません。
グラフや図などを活用して概要を可視化してくれているので、SNSの見えにくい部分を、直感的に理解できるようにしてくれます。
ハッシュタグの投稿数の集計はもちろんのことで、ハッシュタグを使用しているユーザーを一覧で確認することもできます。
また、ユーザーの総フォロワー数など、結果的にハッシュタグが影響した可能性のある範囲を計測する機能もあります。
特定のハッシュタグが使用された際に、併用されたハッシュタグの傾向を知ることもできます。
市場がどのような動向にあるのかをキャッチできる仕組みができるため、自然とアカウント運営の基盤と方向性がかたまります。
Hashoutは月額制ですが、手厚いサポートが特徴です。
無料トライアルがあるので、気になる人は一度活用してみるのがおすすめです。
Twitterキャンペーンに役立つツール
続いて、Twitterのキャンペーンに役立つ支援ツールを紹介します。
InstagramとTwitterは基本的な仕組みが異なるため、SNS運用の対策を立てるためにはTwitter分析に対応しているツールを見るける必要があります。
social list
social listaは、Twitterキャンペーンの運用に特化したツールです。
キャンペーンの結果や反応をデータ化し、レポートにまとめて納品してくれます。
Twitterでキャンペーンを行った際に合計何人参加したのか、参加ユーザーの総フォロワー数は何人なのかなどを知ることが含まれます。
投稿日時を限定して集計をすることができるなど、条件を指定することも可能です。
どの時間帯にどのくらいの人がリアクションしてくれたのかを知ることができれば、最も効果の出やすい投稿時間を探るヒントにもなります。
Twitterで「リツイートした人」の中から抽選で当選者を選ぶような形式の場合、リツイートリストを作ることもできます。
このリストを活用すれば、ユーザー名、フォロワー数、リツイートのタイミングなどを一覧で確認することができます。
このように分析目的の情報レポートだけでなく、social listでは抽選した人へのDMを送る機能も搭載されています。
すっきりと整理された資料となっているので、キャンペーンのデータ管理の手間が省け、効率的に実行することができます。
Talkwalker
Talkwalkerは、AIエンジンを利用したツイッターの分析サービスです。
Twitter上の投稿で、期間などの条件を指定してキーワードがどのくらい投稿されているかを知ることができるなど、詳細な分析が可能です。
ハッシュタグのみの集計ではなく、通常の文章としてのキーワードの使用であっても投稿数を計測してくれます。
実施中のキャンペーンがどのように拡散しているのか、表やグラフのレポートとして提示されます。
拡散状況を時間軸に沿って把握することもできるため、必要なタイミングでの迅速なリアクションにもつながります。
Twitter活用全体としても分析をレポート化してくれるため、アカウントの課題についても傾向と対策を練ることができます。
性能の高いサービスを備えており、一部無料版として利用することも可能です。
長期的にTwitterを活用して効果的な集客宣伝を目指す場合は、利用する価値のあるサービスです。
このように、SNSキャンペーンは目的に合わせて方向性を決定し実施後に分析をして改善していく必要があります。
SNS上ではゲットできる分析情報は少ないため、外部サイトやサービスを併用しながら、より詳細な内容をチェックすることも有効です。
キャンペーンを成功させるためにも、PDCAを意識してデータに則った対策を目指しましょう。